2月1日から2月12日まで、J-REIT銘柄、セクター別トレンドの推移
投資テーマに沿って投資をする場合、例えば時価総額順、J-REIT、優待銘柄と決めた時、構成銘柄数は、50~70銘柄になります。これら構成銘柄の値動きを一つ一つチャートで確認するには、手間と時間が掛かります。
チャートを使う代わりに、一目見るだけで注目しているグループの相場エネルギーの強弱と、トレンド(またはトレンドが出ていない)が判別出来るヒートマップシートを作成しました。
一例です。J-REITを投資テーマとするヒートマップシートを確認する場合でも、各投資法人の属するセクター単位で相場エネルギー、トレンドを判別できます。
2月12日終値基準のヒートマップシート。
- トレンドの出ていなかった、住居系REITセクターに買いトレンドが発生。
- 中央部分の物流系REITセクターだけは、トレンドが出ていない。
- 商業系REIT・ホテル系REITに特に強い上昇トレンドが継続して出ている。
- インフラ系REITは、トレンドが出ていない。
フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の現状
2月5日のSOX指数の引けは、2985.01(-23.4P, -0.78%)でした。
SOX指数は1月26日(火)の15:00前後では3040P前後で推移していました。その指数が24時間後の27日15:00時前後では、2870Pまで下落したことがこのSOX指数チャートから読み取れます。VIX指数は、この間23%から37%に上昇しました。この事は、上記の3項目の相関性が高い事を示しています。
尚、毎年2月~3月は日米市場が下がる傾向があることを肌感覚で認識しています。去年2月~3月の下げは、去年だけのことか?という点に着目し、S&P500関連の動画が探してみました。
https://www.youtube.com/watch?v=tSv7ooE1qLo&t=3279s
やはり、毎年2月のS&P500の成績は、他の月と比較して良くないとのことです。
ということで、今後の5週間で1段の下げがあれば、そこは半導体メーカー銘柄の良い買い場となりそうです。
昨年新規上場銘柄に向うエネルギーを検証しました。
*10営業日前との株価比較(モーメンタム)では、深い緑色=4%以上の下落している銘柄が半分以上占める
*(同上)濃いピンク色の銘柄は、4020ビートレンドと4011ヘッドウォータースの2銘柄のみ。
*4020ビートレンドの過去5営業日のサイコロが〇〇〇●●で気迷い気味
*4011ヘッドウォーターズの過去5営業日のサイコロが〇〇●●●で、同じく気迷い気味
*20営業日(一ヵ月)移動平滑平均とマイナス乖離している銘柄が多い。
*9営業日RSIで40%以下の弱気シグナルの出ている銘柄が多い。
以上のことから、短期では、昨年IPO銘柄に向うエネルギーは低下していることが分かります。
来週~再来週に決算発表を控える銘柄が多いことが、エネルギー低下の一因と思いますが、好転の兆し(ピンク色が増える)が現れるまでは近寄らないのが無難と判断します。
以上のように、ヒートマップシートでは、銘柄毎のチャートを確認しなくても、個別銘柄のエネルギーを一瞥で判断できます。
昨年12月に新規上場した26銘柄の総括
来週から、新規上場が始まるということで、昨年12月の新規上場全26銘柄の総括表を作ってみました。
*初値が売出価格を下回った銘柄=7358ポピンズ、7944ローランド。26銘柄中2銘柄のみ、直接東証一部に新規上場。なのに何れも初値が売出価格を下回る。
*現時点の終値が、売出価格を下回る銘柄=7358ポピンズ、7031インバウンドテック
*初値と現在値比較で、最も下げている銘柄=7031インバウンドテック
*初値が売出価格比較で、最も高かった銘柄=4169ENECHANGE:売出価格600円で、年初に6000円を超えてテンバガーを達成。
*29日終値で初値よりも、上昇率の最も高い銘柄=6612 バルミューダ:高値10610円から2割以上の下げ、でも現時点初値の2.62倍
*29日終値で初値を上回る銘柄数=13、下回る銘柄数=13
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出来高推移に着目したヒートマップシート
相場のエネルギーを探るという観点からは、株価の推移を見るよりもスピード感の点で出来高の推移を見た方がより適当と考え、出来高の推移に着目したシートを作ってみました。
- 過去10営業日前の出来高 vs 直近の出来高比較(出来高に着目したモーメンタム)
- 過去14営業日の出来高推移に着目したサイコロ
- 過去3営業日の出来高平滑移動平均と直近の出来高の乖離率
- 過去4~6営業日前の出来高平滑移動平均と直近の出来高の乖離率
- 過去7~9営業日前の出来高平滑移動平均と直近の出来高の乖離率
- 過去10~12営業日前の出来高平滑移動平均と直近の出来高の乖離率
- 出来高推移に着目したRSI(9営業日と14営業日)
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着目点
- 10営業日モーメンタムでは、濃い緑色が多い。10営業日前の出来高よりも増えている銘柄は3銘柄のみ。
- 株価が上がっている銘柄でも、出来高のサイコロでは●(出来高が減少)が目立つ。
- 過去に遡るほど、直近の出来高との乖離が大きい。
- 9営業日のRSIは30~50%を示す銘柄が多い。
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考察
来週は、1月28日(木)日本時間 4:00AMにFOMCの結果発表を控えています。日米の株式市場では、注目度の高い主要銘柄の決算発表が多くあります。米国バイデン大統領就任から日柄が浅いこと、以上のことが主たる原因で、現時点、日米両株式市場のエネルギーが低下していると考えます。
株価主体・出来高主体、以上2つのヒートマップシートの比較において、出来高主体のシートの方が個別株に流れ込むエネルギーの低下状態が一瞥で判断出来ることが分かりました。
明日以降、出来高ヒートマップシートの色変化に着目し観察を継続します。研究課題としている3つのパラメータを調整することで、エネルギーの変化をもっと際立たせたいと考えています。
東証の取引システムが終日停止したことについて
筆者は1987年10月1日から30年以上、国内外大手の銀行・証券を顧客とする金融トレーディングシステム業界で働きました。
今回の東証のシステム障害時では、1号機から2号機システムに切り替わらなかったと報道されています。1号機と2号機の切替試験は行っていたが、今回は切替が出来なかった、その原因をこれから検証するとも書かれています。
このように平常時は、メインシステムのみを使い続ける運用が一般的ですが、ある外資系の会社では、2つのシステムを、1号機・2号機、もしくはメイン・サブというよう区別をせず毎日平等に切替ながら運用していました。
金融システムでは日常的にソフト更新や設定変更が行われますが、メイン・サブとシステムを区別する運用では、メインのみにソフトが更新されていたといった問題もあって、今回のようなトラブルが起こったのでしょう。
上記の記事を読む限り、1号機・2号機を区別しない運用に改めるとは書かれていません。区別する運用では、今後も同じ問題が起こるでしょう。是非とも、毎日、1号機と2号機を切り替えながら使う運用に改めて欲しいものです。